乙一・暗いところで待ち合わせ に纏わる強烈な思い出。
こんにちは
ことねです
今日は、中学生の時の読書に纏わる印象的な出来事についてお話ししようと思います。
図書委員会で・・・
小説を好きになったのは中学生の時で3年間図書委員に所属していました。本のある空間にいるのが好きで毎年立候補していました。
私が通っていた中学校の図書委員会では週に一回ある委員会で、一人ずつ前に立っておすすめの本を紹介するというものがありました。私のように本が好きで図書委員になった子もいれば、楽そうだからと委員になった子もいて後者の子にとってはかなりしんどいものだったようで読んだことない本を読んだことのあるふりをして紹介している子もいました。
その紹介では、生徒だけでなく先生もオススメの本を紹介していました。
先生が紹介すると、やはり面白そうに見えてしまって借りて読んだなあなんて記憶が蘇りますが、委員会のとある男の先生が紹介していた本が今でも忘れられません。
暗いところで待ち合わせ・乙一
その本が、乙一さんの「暗いところで待ち合わせ」です。
乙一さんといえば、「夏と花火と私の死体」という死者の目線で描かれた作品が有名なような気がしますが、私が初めて乙一さんの作品に出会ったのは先生が紹介していた「暗いところで待ち合わせ」でした。
この本の表紙見たことありますか?
一見ただのホラー小説です。ホラー小説だと謳っている作品でさえあそこまで表紙にドギマギすることはありません。もはやホラー小説よりホラー小説。
タイトルと表紙で最初は読む気など起きず、もはやなんでそんな怖い本を子供に紹介するんだと大人の脳みそを疑いました笑
生徒たちがざわざわする中、先生は笑顔であらすじを読んでさらにどんな内容なのかを詳しく説明していきます。
表紙が怖くて見れなかったため耳だけ傾けていましたが、途中で「あれ?」と思いました。
言うほど恐ろしい内容ではないような気がしたからです。
母の当たり前の反応
先生が話し終える頃には読んでみたくてうずうずしていました。
委員会は放課後なので、そのまま家に帰り母に欲しい本がある!と言ってタイトルと表紙を調べて見せると母は「え?これ?読んで大丈夫なの?」と眉間にシワを寄せていました笑
そりゃそうだ。
中学生の子供に怖い本を読ませたいと思う親はそういません。
かなり疑っていましたが、先生がお勧めしていたことや、先生が話していた内容を説明すると
「先生が言うなら大丈夫なのかな・・・」と渋々了承し買って読ませてくれました。
二度ほど再読したのですが前回読んだのがだいぶ前になるのでまた読んだら感想を投稿したいと思います。
親としての葛藤
ただこの本は思い出として強く残っていて、あの表紙を子供の前で堂々と出した先生にはサイコパス的要素を感じますし神経を疑いますが、出会えてよかった本になったことは間違いありません。
子供に怖い本を読ませていいものなのか。
その時すでに私は東野圭吾さんの沼にどっぷりハマってしまっていて、それも母は心配していたようでした。もっと平和な本を読めばいいのに。それは今でも言われます。笑
親として悩むのは当然のことだと思います。
純粋に平和な本を読んで欲しいと思うことは当然のこと。
そんな親心を無視したあの先生は今どこで何をしているのかわかりませんが
少し感謝しています。
今でもあの笑顔で紹介していたらと思うと恐怖を覚えますが。
実際この本はどんな内容?
結論から言えば、この本はホラー小説ではないです。
乙一さんはホラーものを書くイメージですが、ホラー要素はあまり感じなかったです。
ただあらすじを話すと大半の人が気味が悪いと言いますが、読んでみると印象は変わると思います。
あらすじ
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチル。奇妙な同棲生活が始まった?
このミチルという盲目の女性の家に警察に追われたアキヒロが逃げ込み共に生活を始める、という内容です。
あれ?確かに少し気味が悪いかも・・・
でも本当に読んでみると読前と読後の印象は180度変わります。確実に。
なんなら心温まるかもしれない。
最後に
中学生の時にたくさんの本に出会いましたが、本に纏わる思い出話として強烈に頭の中に残っているのはやはりこの時のことです。
あれからその本を今でも大切に持っていますが相変わらず表紙は見ることができません。笑
目が合うから・・・涙
乙一さんをまだ読んだことない方も、他の作品ならあるよっていう方も是非読んで見てください。良い意味でイメージがガラリと変わります。
興味が湧いて勇気がある方は公式サイトを載せておくので是非覗いて見てください。
今日はこの辺で。
ではまた。